どこまで規制は必要か

パチンコ屋に学ぶ経済学/伊達直太(人生戦略会議)
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副題で「5万円負けた客が、明日もまた来る理由」と書いてあるのが秀逸過ぎて思わず手にとってしまった一冊。

・数字的、統計的に考えることの重要性

・確率的には勝てないのに勝てるような気がしてしまう理由

・経営戦略、宣伝のバランス

・経済と道徳の関係

などなど、パチンコを通じて、実に幅広い点に言及があり、思考回路を刺激されます。

また筆者は、パチンコというギャンブルの世界を知り尽くしていて、いろんな暗い側面も見ていそうなのですが、暗さや説教くささといったものを感じさせず、前向きに軽快に読むことができたのが印象的でした。

パチンコ=ギャンブルですので、規制の是非がいつも議論されます。

まず、基本的に何の規制も必要ない、すべて自己責任にすべきということはあり得ません。

あらゆる依存性に意志だけで対抗できるほど人は強くできていません。

それほど人が強ければ、麻薬・覚せい剤すら規制する必要はなくなってしまいます。

一方で、ギャンブルだけではなく、酒、タバコ等もそうですが、「娯楽」という側面も無視できません。

規制、規制でがんじがらめでは、民間の柔軟なアイデア、可能性が摘み取られてしまいます。

どこまで規制するのか、どこまで放任でいいのかバランスが非常に難しく、また判断の基準があいまいですので、議論に決着がつかないのだと思います。

また、規制=役人の飯のタネですので、そういった面でも議論がややこしくなります。

パチンコ依存症の問題はメディアで取り上げられることは多いようですが、

例えば、競馬(テラ銭はなんと25パーセント!)が同じように問題視されないように見えるのは気のせいでしょうか。

そうだとしたら何か役所的都合があるのかもしれません。

日本のメディアは記者クラブを通じて、役所にベッタリですから。

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