どちらかと言うならば

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日銀など日本の政策関係者は円高を「悪」とする傾向が強いように感じます。

最近になって日銀の白川総裁が円高のメリットに言及し始めているようですが。


一般に円高の利点として

●輸入品が買いやすくなる。

●特に原油価格が安くなり、エネルギー全体の価格が安くなる。

●海外旅行に行きやすくなる。


だいたいこんなところでしょうか。

円安の場合はメリット、デメリットがひっくり返ります。


特に輸出入に関する指摘が多く、日本は輸出で儲けているので円安の方が有利だと言われる事が多いように感じます。

貿易黒字つまり儲けているのは事実ですが、貿易依存度(GDP比対輸出額比率)で見ると他国に比べてたいしたことはありません。特に成長寄与度で見ると、


(内閣府データより)

1996年 成長率+2.7% = 内需+3.2%(うち民間消費+1.4%) + 純輸出-0.5%
1997年 成長率+1.6% = 内需+0.5%(うち民間消費+0.4%) + 純輸出+1.0%
1998年 成長率-2.0% = 内需-2.4%(うち民間消費-0.5%) + 純輸出+0.4%
1999年 成長率-0.1% = 内需 0.0%(うち民間消費+0.6%) + 純輸出-0.1%
2000年 成長率+2.9% = 内需+2.4%(うち民間消費+0.4%) + 純輸出+0.5%
2001年 成長率+0.2% = 内需+1.0%(うち民間消費+0.9%) + 純輸出-0.8%
2002年 成長率+0.3% = 内需-0.4%(うち民間消費+0.6%) + 純輸出+0.7%
2003年 成長率+1.4% = 内需+0.8%(うち民間消費+0.2%) + 純輸出+0.7%
2004年 成長率+2.7% = 内需+1.9%(うち民間消費+0.9%) + 純輸出+0.8%
2005年 成長率+1.9% = 内需+1.7%(うち民間消費+0.8%) + 純輸出+0.3%
2006年 成長率+2.4% = 内需+1.6%(うち民間消費+1.1%) + 純輸出+0.8%
2007年 成長率+2.1% = 内需+0.9%(うち民間消費+0.8%) + 純輸出+1.1%


というわけで、輸出は成長要因の1つではありますが、とても死命を制するものとは言えないと思います。昔からある日本の輸出信仰、円安信仰はなぜ生じたのかわかりません。


純輸出がプラス(貿易黒字)なので、GDP成長に輸出が寄与しているのは事実です。

通貨が高くなり、輸出が厳しくなるとある程度痛みは生じると思います。しかし死ぬほどではないでしょう。


仮に貿易赤字になったとするとある程度痛いですが、別の面で補うことは十分可能です。

実際にアメリカなど、ずっと貿易赤字な国などいくらでもあります。その上で立派に経済を成長させ、生活しているわけです。


しかし逆に大幅な通貨安により、原油や食料品の輸入価格が高騰した場合、GDPうんぬん以前に死に直結する可能性があると思います。

通貨が暴落して滅びるないしは近い状態になった国はありますが、通貨が高騰して滅んだ国は無いのではないでしょうか。


というわけで、どちらが良いかと言われれば、「円高」の方が喜ばしいのではと思っております。

単純に自国通貨が「高い」のは良いことです。

もちろん「円高」でも「円安」でも急激なのは良くないとは思いますが。


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