丁寧な説明

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20121025-OYT8T01686.htm


阿見のメガソーラー中止


阿見町が進めていた大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画が25日、中止になった。実現すれば、市町村が事業主体のメガソーラー(出力1000キロ・ワット以上)で県内初めての施設となるはずだったが、町議会は同日の臨時会で「太陽光発電事業はリスクが大きい」などと賛成少数で関連議案を否決した。町は「新エネルギーを推進したかったが、大変に残念」としている。

 同町の大形地区と吉原地区の2か所の民有地(計約6・4ヘクタール)を借り、計約2万1000枚の太陽光パネルを使い、約650軒分に相当する年間324万キロ・ワット時を発電する計画で、東京電力に全量を売電し、来年の発電開始から20年間で計約4億5000万円の収益を見込んでいた。

 同日の臨時会で、町はメガソーラー建設予定地の測量費などを盛り込んだ関連議案を提出。一方、町議からは「政権が代われば、今後20年間も固定価格買い取り制度が維持されない可能性もある」「収益を上げる経済行為は民間にまかせるべきだ」などと反対意見が相次ぎ、採決の結果、議案は、反対11人、賛成6人の賛成少数で否決された。

 町は町民に利益を還元するため、収益を住宅用太陽光発電システムを設置する町民への補助金や町が購入する電気自動車などの環境施策費用に充てる予定だった。

 同町の天田富司男町長は臨時会終了後、「太陽光発電には大手企業も参入しており、リスクのある事業ではない。何としても実現したかったが、理解を得られなかったのは不徳の致すところ」と述べた。

2012年10月26日 読売新聞)



群馬県太田市の工業団地にあるものが有名ですが、阿見町でもメガソーラー建設計画があり、そして議会の同意が得られなかった事です。
賛成6名、反対11名であり、対討論は4名が、賛成討論は2名が行ったとの事ですので、なかなかの激論が繰り広げられたものと思われます。

賛成が得られなかった一番の理由としては、提案があまりに唐突で、議会への説明が不足していたという点が大きいようです。
県内初の事業ですので、慎重な意見が出るのは当然であり、想定している収益回収期間が20年間という長期である点も不安を感じさせます。
天田町長は迅速な行政執行に力点を置き過ぎたのかもしれません。

記事中にもありますが、経済行為は民間にまかせるべきだという意見もあり、私自身もそういった考え方をする方です。
役所は倒産しません。見方を変えると、赤字に耐えることができるわけで、収益を上げることが難しくかつ市民生活に必要な事業を行うのが役所の役目の1つとも言えると思います。
太陽光発電はそのようなものでしょうか。あまりそうとは思えません。

しかし、産業育成の為の先行投資という考えもあります。
新規事業は市場が育つまで、収益を上げることが難しく民間が手を出しにくい部分があると思います。
市場が育つ段階に到達するまで、「歯車が動き出すまで」役所が援助するという考え方は有効かもしれません。
この種の問題では、視野を広く持った分析や議論が必要だと考えます。
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