人せいにした方が心地よい

ダウンロード
アフリカ諸国がどうして発展できないのかという疑問を、南アフリカ在住のジャーナリストが実際の体験談等を元に書いた本です。
筆者の専門なのでしょうか、特に経済的な視点からの分析が素晴らしく、また分かりやすく気軽に読める感じでした。
世界的に、国や社会の問題を語る際には、かつての植民地支配のせいだ、○○国の陰謀だなど、つまりは自分以外の人やどこかの外国が悪いのだという主張が好まれるように感じています。とは言いましても、例えば本書で指摘されている例、
●トラックが商品を運ぶ過程で、何か所も警察などの公的機関による検問が行われ、私的な通行料が要求される。結果的に商品の値段が上がり、市民が苦労する。
●海外からの援助は、権力者が豪邸や高級車など私的に使われ、国民にいきわたることはない。
●選挙の際には、警察や軍隊により、村を焼き払い、与党を支持しない人の全員をレイプするなどの手法で、野党の選挙妨害が繰り広げられる。
などのあまりにひどい事例は、現在においてかつての宗主国が強制して、やらせていることはできません。また、かつて植民地支配をされたという歴史的事実は、現在において権力者による海外援助の搾取や、権力の私物化を正当化するものではありません。
最終的には、その国の人自身による、日々の選択が現在の状況を作っていると言わざるを得ないと思いますし、街をつくるのは市民一人一人であり、市民の水準以上の街に成りえないのだと感じさせらます。
問題を人のせいにしてる暇があったら、その問題に対して自分ができることを考え行動した方が絶対早いですし、それができる街や国が最終的にはより良い街を作っていけるという意味で、勝者になれるのだと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る