内向きの力学

組織における「役職」というものは、組織全体の目的を達成するために必要だからこそ定められるものです。
書いていて当たり前の気もしますが、現実は意外とそうでもなくて、一旦役職ができてしまうとそれ自体が目的になってしまい、本来の目的合理性を失ってしまうこともあるかもしれない、多くの自治体の議会における役職のあり方は、その最たるものかもしれません。
 
議会の役割は市長をはじめとする行政の監視やチェック、または二元代表制の一翼として街の将来ビジョンや課題や政策の提言などだと考えます。
しかしながら、議会における議長、副議長または各委員会の委員長という役職を選ぶ際に論じられる視点としてどのような議会にしていくか、行政の監視やチェックをしっかり行って行くために誰が適材なのかなどは、最も重要な視点のはずですが大抵の場合あまり考慮されません。
では一体何が重視されるのかというと、

・〇〇は何期やっているからそろそろ議長を経験させないと・・・。

・〇〇は何期やっているから委員長のポストの一つくらいはあげないと・・・。

・〇〇は誰々に逆らわなかったから論功の意味でも副委員長のポストくらいは・・・。

・「会派」のパワーバランスからして、ウチにもう一つくらい委員等ポストがないと・・・。

 
などなどが代表的なものとして挙げられまして、多くの市民目線、街の将来ビジョンという視点からは、かなりどうでもよいのではと思われる力学が働きます。
本来は議長や委員長という全体をリードしうる役職に、本当に市民目線の見識をしっかりと持ち、かつ力のある人がつけば、議会という組織を活性化することができます。
また、最低限それができなくては市民の政治不信、議会不要論を払拭することはできないのでしょう。
 
 
 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る