わが市の図書館資料の充実ぶりの頼もしさを再確認

大日本国防史 単行本 – 2011/1/28 兵頭 二十八(著), 小松 直之(イラスト)

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Amazonで買おうとしましたが、ふと思いついてあまり期待せずに図書館で借りられないか検索してみたところ、高野公民館に1冊あるのが判明し、ダッシュで借りてきました。
結構マニアックな本(私見です)ではないかと思うのですが、わが市の図書館資料の充実ぶりの頼もしさを再確認しました。4月からは指定管理者による運営もスタートしますので、さらなるパワーアップを期待します。
 
著者の兵頭氏は、言葉の選択が秀逸で名言が多いのでとても好きです。
著者は、わが国の「天皇制」の源流を太平洋の島に見られた「海洋天皇制」と評しています。ちなみに兵頭氏曰く最初の発見者はアメリカのルース・ベネディクト氏だそうです。菊と刀の著者ですね。
●自らは武威を行使しない「祭祀首長」を島の全員が抱く。祭祀首長の仕事はひとつだけ。食物の収穫が十分であるよう節目に神に祈ること。
●祭祀首長はもめごとの仲裁や戦争指揮などの俗事は一切行わない。そういった俗権は別の島の有力者が行う。
●祭祀首長は全島民から安全と生活資源を与えられる代わり、全島民のために「無私」を貫くことを求められた神聖な存在。
何というか表現が琴線に触れると言いますか、しびれます。
 
以前に「志村けんのバカ殿さま」という番組に台湾の方が出演したのを見て、中国のネットユーザーが「天皇」にひざまずくとは何事だと怒ったそうです。↓
http://m.searchina.ne.jp/news/disp.cgi?y=2010&d=0125&f=national_0125_021.shtml
バカ殿さまはもちろん架空のギャグキャラですが、それでも脇に刀を抱いていて、かつ喜怒哀楽の感情たっぷりに出演者に絡む姿を見て、それを「天皇」と誤解すること事は、日本人ならどんな無知な人でもあり得ないと思います。
つまり、大陸においては、えらい人というのは「武」も含めた権力も一切合切持って、かつ「私」を自由に表現できるのが普通で、日本式の権力と権威の分離といった概念、権力を持たないが故に神聖なのだといった在り方は理解不能なのだろうと想像します。
 
日本なら当たり前の権力と権利の分離、パワーの分離を容認する文化は、わが国の安定や民主化などにすさまじく大きく貢献しているのではないかと感じます。
それが、古代から延々と続いているものだとしたら本当にかけがえのないものだと思いますし、何事も一日にしてならずなのだなあと実感します。
 
 

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