小美玉市四季文化館「みのーれ」を視察

ハコモノの視察というと地味になりがちな印象もあります。
しかし、昨日伺った、小美玉市の四季文化館「みのーれ」に関しては良い意味で期待を裏切られ、大いに刺激や感銘を受けました。視察のチャンスを頂けたことを大変ありがたく思います。

小美玉市四季文化館「みのーれ」は、公民館的な文化拠点として活用されているものですが、オーケストラの演奏も可能な600席の大ホール、加えて300席の小ホールも併設されているなど、守谷市の感覚からすると大変大きな施設です。
http://minole.city.omitama.lg.jp/
 
小美玉市の人口は約5万人。3市町村が合併された経緯から、市内に同種の施設が複数あることなどを考えると、いささか過大な規模の施設ではないかとも感じます。
同様の懸念は建設前の時点からあったそうですが、秀逸なのが大ホールの稼働率が83%を超えている点です(平成29年度)。
全国平均の同種施設の稼働率は58%であること、またけして人口過密地域ではなく、しかも合併前の自治体が抱えていた同種施設が多くあることを考えると、かなり驚異的な数字ではないかと感じます。
 
小美玉市の担当職員の方とお話をしていて、つくづく感じたのが、その経営感覚の強さです。
如何に稼働率を上げていくか、また使いたいと思って頂くか、当初から強い意志をもって、さまざまな取り組みを行っている姿勢が感じられました。
また、スタート時点から公募市民による実行委員会による運営を行い、しかも〇〇協会といった地域の有力団体によるあて職制度はとらず、完全個人市民による公募を重視し、時に地域の有力団体からにらまれるなど、挑戦的な取り組みも行っているとの事でした。
 
私の印象ですが、公務員の思考回路は一般に逆に、つまりは挑戦的でない方、波風を立てない方向へ行きます。
例えば市民と積極的に交流を進め、そこで把握した地域の特色を活かした挑戦的な取り組みを行おうとすると、公平性が~うんぬん、平等性が~うんぬん、などと批判が起こり委縮してしまう。下手をすると批判がなくても自ら事前に批判を予測し、結局は何もしないという、究極的に公平な姿勢をとりがちです。
その辺も含めて意見交換させて頂いたのですが、やはり当初から職員の危機意識が並々ならぬものがあったようです。加えて、そんな挑戦的な職員をしっかり守る上司やリーダーの姿勢も大きかったのだろうと思います。
 
「みのーれ」はハコ自体も守谷市と比べれば立派で豪華で便利なものでしたが、それ以上に職員の熱意や経営感覚の強さが印象に残りました。指定管理等でなく、自治体の直営によるもので、これほど経営感覚の強い事例はとてもめずらしいのではないかと思います。
財政の豊かさ、若年人口の多さなど、良く注目される街の元気さに関しては、恐らく守谷市の方が上でしょう。しかし、小美玉市さんにはかなわないと感じる部分があります。
また、ハコモノ行政に関しては、施設の規模や機能面が注目されがちですが、その前に自治体がそのハコモノを使って何を実現しようとしているのか。その意思の方向と強さがとても大事なのだとつくづく実感致しました。
 

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