実際に見てみないと実感できない

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先日福島にて、高崎経済大学教授、佐藤彰彦氏の講演を聞く機会がありました。飯館村や富岡町といった被災地の現状についての内容ですが、非常に感銘を受けました。
●表土をはぎ取らず、砂をかけただけの「手抜き除染」が横行している。
●観光客が回復していると言われるが、復興作業員も込みでの数。宿泊単価ベースでは約4割にとどまっている。
●避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の区分けが住民との協議が不十分な状態で設定された。
●選択肢すら示されない復興政策を通じて首長や行政への信頼低下、被災者懇談会参加者の低迷(200名→3名)。
●国の「馬鹿な住民には任せられない」という専門家意識。
●予算的制約等もあり、最終的には国の施策に従わざるを得ない。被災地の抗しがたい無力感と被害者意識。
住民と行政や政治との信頼関係の構築は、ある意味民主主義の根幹でありますが、震災被害や原発事故による極限状態の中、大きく傷つけられている面があると実感しました。
特に国に関しては、補助金や助成金などを人質のようにして、国の政策を強要しようとする姿勢も見られるなど、非常に不信感が増しているようです。
それでも大規模な除染などを行うためには、国の予算に頼らざるを得ません。国主導の納得のいかない面があっても、やらないよりはやった方が良いので、仕方なく従わざるを得ない。
まさに極限状態ですが、そのような中での試行錯誤は、ある意味究極的な先進事例とも言えるかもしれません。
また、実際に被災地の帰還困難区域の中などを見て、そして活動している方の生のお話を聞かないとわからない、空気のようなものがあると実感します。勉強になりました。

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