「事業仕分けは財源捻出のためではない」 蓮舫行政行政刷新担当相
税金の無駄遣いをチェックするのは議会の重要な機能の1つです。
しかし、注意すべき点がいくつかあるように思えます。
①当たり前すぎる
何をもって「無駄な税金の使い方」とするかは、さまざまな考え方があると思います。
例えば、本当に誰も通らない所に道路を作るとか、あまりにも経済効率を無視した使い方、
つまり、目的が特定企業・団体との癒着、公務員の天下り先確保などにあるとしか思えない遣い方
の場合、それを「無駄」と表現するのに私は異論ありませんし、大抵の方は同調して下さると思います。
支出の目的があまりに矮小過ぎますから。
しかし、これは考えてみるとあまりに当たり前すぎる気もします。
ある政治家・政党が「賄賂を受け取りません」と宣言しても、当たり前すぎて政策に目玉になり得ません。
イロハのイの部分に過ぎない部分に注目を集めすぎ、エネルギーを使ってしまうと、他の大事な議論
が注目されない可能性が出てしまいます。
②「成長」への視点
経費の削減、リストラだけで成長し、活気づいていく会社はありません。
新技術への投資、新商品開発などの、積極的な成長戦略が必要になります。
成長なくして、無駄の削減だけでのやりくりでは、いずれ財源が枯渇ししていく悪循環に陥ります。
震災復興にせよ、社会保障にせよ、「真の財源」は、GDPで現されるような「経済の成長」であると考えるべきであり、
その前提となる積極的な成長戦略が必要です。
そのために必要なのは「けちな経理屋」ではなく「夢を語れる経営者」です。
政治家はどちらかといえば経営者タイプを目指すべきではないでしょうか。
念のため言っておきますと、私は事業仕分けそのものは支持します。
事業仕分けの根本は公開性、透明性にあり、画期的な制度だと思います。
しかし、「仕分け人」への疑問は当然あります。
目先の財源確保のみに邁進し、投資への意欲を欠いた政策は20年後、30年後の生活を脅かします。
インターネットの原型が出来たのは1960年代だそうです。
そのころは当然「市場」など影も形の無かったわけでして、開発にかけたお金は短期的には、1円の利益
も生みません。
しかし、そのころの投資があったおかげで、現在があるわけです。
政府や自治体の財源が苦しい時代が長く続いていますが、将来へ積極的に投資し、
未来を造っていく意思まで失ってはなりませんね。
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