http://takedanet.com/2013/02/post_d911.html
武田邦彦氏による論評です。
●ロシアは17世紀から領土の拡大、占領を繰り返してきた。
●それと比べれば中国の膨張、領土拡大はたいしたことはない。
●日本は常に力をためて中国の兄貴分でなくてはならない。
という事ですが、大いに疑問があります。
①17世紀などの過去と現在は環境がまるで異なる。
「織田信長はたくさん戦争したから英雄ではない」と主張する人を見たことがありますが、多くの人はそうは考えないと思います。
日本の戦国時代でしたら、治安を維持する警察も国軍もありません、もちろん国連が来て助けてくれるという事もありません。
そのような現代との環境の違いを無視して、17世紀など過去の領土拡張と、現代における砲艦外交などを同列に論じることは意味があるとは思えません。
②「意思」と「結果」は別である。
膨張主義というのはその意思に関するものです。
結果に関わらず積極的な領土拡大等の意思があれば膨張主義と言ってよいと思います。
中華人民共和国は建国以来、周辺国ほとんどすべてと軍事衝突等を繰り返してきました。
単にチベットとインド以外には勝てなかったというだけの話です。
尖閣諸島の例などを見るに、現在は改まったのだとは考えにくいと思います。
③日本は中国の兄貴分であったことはありません。
GDPなどの指標で考えると、日本が中国に優越していた時期は長いですが、だからといって中国は日本の言う事を何でも聞かなければならなかったわけではありません。
国と国はその国力に関わらず対等であり、権利は尊重されなければなりません。
それが世界大戦などを通じて獲得した国際秩序であり、人類の英知であります。
建前の部分があるかもしれませんが、守る価値のある建前だと思います。
総じて思考回路に理解できない部分が多くとまどいます。
ですが、異なる視点や考え方に触れるのは、頭の体操としてとてもおもしろいのかもしれません。
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