ケインズとハイエク


市場には介入が必要」
「市場には自由が必要」
と正反対の対決ですが、(いかなる時でも)どちらかが正しくて、どちらかが間違っているわけではなくて状況によって、有効性が変わってくるのだと思います。
拒食症の人と糖尿病の人では状況が正反対であり、「食事を増やしてください」「食事を減らして下さい」と別の治療を進めるのは当然であり、変節ではありません。

また万人、万病に有効な薬が存在しないように、どんな状況にも有効な経済政策など存在しません。
あくまで政策は手段であり、現実がどういう状況にあるかきちんと見極めて、時に柔軟に手段を変更していくのが、責任者のあるべき態度と思います。

私個人としては、現状においてケインズ的政策が有効でも、ハイエク的政策が有効でも全く困りません。
国民生活が豊かになればそれで満足です。

経済の目的は例えば
●国民生活を豊かにすること
●国民生活に必要な供給能力を国内で確保すること
などであり根本となるべきですが、これが例えば「経済学者の目的」となると時には
●自分の学説の無謬性を証明すること
●自分の面子を守る事
なども入ってくることもあり、ややこしくなるような気がします。

そのような「ずれた動機」に政治や行政が引きずられることなく、国民の方を向いた議論がきちんとなされることが重要です。

10年くらいまではハイエクが圧倒していましたが、最近はケインズが脚光を浴びてきているように感じます。
不景気を脱することができなかったのだから当然かもしれません。
まさに世紀を超えた大論争だと思います。

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