ウクライナ危機に関連して

プーチン氏「ボールは日本側に」 日ロ対話で

 【ミラノ共同】ロシアのプーチン大統領は17日、ウクライナ危機を受けた日本の対ロ制裁で両国間の政治対話が止 まったことについて「日本側がほぼ全てのレベルの政治接触を凍結した。われわれの選択ではない。われわれには日本の友人との関係を続ける用意があり、ボー ルは日本側にある」と述べた。訪問先のイタリア北部ミラノで語った。

同時に「近年、対日関係は経済的にも政治的にも発展した。(日ロ間の)平和条約に関する(問題の)解決の探求を含めてだ」と強調した。

ウクライナ危機に反発する米国への配慮から、日本は今年4月に予定されていた岸田文雄外相の訪ロを延期した。

2014/10/18 09:28   【共同通信】

 
わが国がロシア包囲網の突破口、輪の弱い所だと思われているとしたら、残念に思います。
何がしらの利益(北方領土交渉進展をちらつかせるなど)につられ、ロシアの侵略的手法は許さないという大義を曲げることがないよう、毅然とした姿勢を政府には願います。
スコットランドの投票の時のように平穏な手法ではなく、ロシアは「正体不明の武装集団」「休暇中に私的に活動している兵士たち」などを送り込むことによって実質的にクリミア半島を「切り取り」ました。
m_E382A6E382AFE383A9E382A4E3838AE38292E58AA9E38191E381A6
これは、1928年のパリ不戦条約から始まり、わが国の憲法9条にも記載されている、侵略行為禁止、「国際紛争を解決する手段 として武力行使や威嚇を行わない」を踏みにじる行為です。
「ああ今でもそういうこと(侵略)ができちゃんうんだ」と思ってしまった「悪いヤツ」が多数出てしまった可能性もあり、これは人類にとって大きな負の遺産になるような気がします。

一方で、シカゴ大学政治学部教授のジョン・ミアシャイマー氏によると、

●ウクライナ危機を誘発した大きな責任は、ロシアではなくアメリカとヨーロッパの同盟諸国にある。

危機の直接的な原因は、欧米が北大西洋条約機構(NATO)の東方への拡大策をとり、ウクライナをロシアの軌道から切り離して欧米世界へ取り込もうとしたことにある。

●欧米はロシアの裏庭にまで歩を進め、ロシアの中核的戦略利益を脅かしている」と彼(プーチン)は何度も警告していた。

という指摘もあるようです。

平和主義的な国際秩序を信じず、地政学的なパワーバランスを重視するロシアの世界観は到底好きにはなれませんが、彼の国がそういう発想をする国だということは、NATO諸国はわかっていたはずだとは思います。

とすると確かにNATOの対応は中途半端です。

あくまでNATOを東方拡大するならば、ウクライナをいつでも助けられるようにしておくことで、紛争を抑止するか、もしくはそのような決断ができないなら、ウクライナは緩衝地帯として手を出さないなどが無難だったように思います。

わが国としても示唆に富む重要な教訓に感じました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る