投票用紙は競馬の勝ち馬投票券ではありません

「バンドワゴン効果」と呼ばれる現象があります。
自分の投票を死票としたくないという心理から、事前のマスコミ報道などで勝つと予測された候補者に投票する行動の事を指します。
しかし、投票用紙は競馬の勝ち馬投票券ではありません。
自分の投票した候補者が勝ったという満足感は確かにあるのかもしれませんが、それは開票日にしか味わえない刹那的で空虚なものに思えます。
死票と言いますが、白票でも投じない限り、厳密に言えば死票など無いと私は思います。
得票数の差、どんな勝ち方、負け方をしたかはその後の言動に確実に影響を及ぼしますし、衆議院総選挙だったら比例区の議席という形で直接的に影響を及ぼします。
また、国民の投票行動によって、議会の勢力バランスが決まり、政策が実現に近づくかなども確実に決まります。
候補者本人と知り合いで熱心に応援していたり、特定政党に強烈な思い入れがあるなどがない限り、例えば一つの政党が議席の3分の2を占めるような勝ち方を許してはなりません。
それは、ある種の独裁権の付与に近いものがあり、議会における議論の流れ、民主主義の根本を歪めます。
国民全員を満足させる政策などありません。正解が一つしかないこともありません。
多くの立場から選出された議員が、異なる複数の「正解」をぶつけ合い、昇華させて結論を出していくのが、合議体たる議会の存在意義です。
競馬のような感覚で投票を行うと、国民感覚から離れた歪んだ議会による、特定の人しか満足させられない政治や行政の実現という、マイナスの配当を受けることになります。
日本国民の一人として、14日の投票日には是非とも必ず投票に行って頂き、そしてマスコミ報道等に対しては少し慎重になって投票を行って頂きたいと願っております。

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