自分の価値観と他者の自由

生活保護受給者のパチンコ店への複数回立ち入りを問題視した、大分県別府、中津市の判断について、先日当ブログにて触れさせて頂きましたが、
そういえば生活保護受給者がパチンコ店に行ってよいのか悪いのか、私自身の感想を述べていなかったなと思いまして記します。
 
仮にですが、わが市において生活保護受給者がパチンコ店に行ったら支給の減額、もしくは停止を行いますと発表したとしたら、反射的には歓迎する印象を持つでしょう。つまりは、感覚的に生活保護受給者がパチンコ店に通うのは関心しません。
 
しかし、次にまてよと考えます。
もし、パチンコ店に毎日行くとすると平均でいくらくらいのお金を使うのでしょうか。
買ったり負けたりはあるのでしょうが、平均するとテラ銭の分は必ずマイナスになるはずですので、1日辺り3000円から5000円くらいのマイナスでしょうか。
3000円で済むと仮定しまして、3000円あれば30分くらいマッサージに行けます。
では、生活保護受給者が毎日30分マッサージに行っていたとしたらどう考えるべきか。
パチンコ店通いよりは世間の反感は少ないかもしれません。しかし、使う金額としては全く同じです。
何が言いたいと言いますと、「場所」や「行為」で良い悪いを決めるのは個人の好みや感覚に左右される部分が大きく、絶対なものではありません。
 
生活保護受給者は別に罪人ではありませんし、そもそもどんな行為が善で悪か、他人に強要され続ける世の中であるべきではありません。
それでも、わが街では責任を持ってこのような行為はダメだとしますという判断があっても良い。まさにそこが「自治」だからです。
ただし、自分の価値観を強要して他人の自由を制限しようとしているに過ぎないという自覚を持ち、かつそれでも税金の公平な使い道などの観点から大義があると訴え、反論されるリスクを背負って行うべきです。断じて気楽にできる判断ではありません。
 
パチンコ店に行くと言っても毎日行く場合と、月に1回行く場合では意味あいがまるで違いますし、きちんと線引きを行って、どの行為のどの部分をどんな理由で否とするのか、提案者の価値観や哲学をしっかりと定義づける必要性があるでしょう。
もしそのような詳細な研究がなく、複数回パチンコ店に行っていたら支給停止しますよ程度の漠然とした提案だったとしたら、以上のような理由から最終的に私は反対すると思います。
 

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