「議論」しない「議会」

「原稿の読み合いをしているだけ」
「シナリオの決まった学芸会」
なんて揶揄されることのある地方議会の現場ですが、過去の地方議会のあり方を総評するなら、結構適格な指摘だと思います。
ひどい例になると、一般質問など、つまりは行政側とある意味対決も必要な場であるはずなのに、行政側が議員の原稿づくりを手伝っているとか、
議員が原稿を読んでいる途中で頻繁に引っかかる。どうも漢字が読めないらしい(笑)ゴーストライターさんルビ振ってやれよ!と内心で失笑を買うケースなど見られました。
 
自分の中にある問題意識を言語化するですとか、相手の答弁を聞いてその急所を見抜き、適格に反論や再質問をするなど、ガチンコの議論をするのに必要とされることが、あまり得意でない議員も多い。
つまり、「議会」のくせに活発な「議論」をすることが、けして重要視されてこなかったわけです。
理由は明快です。必要なかったからです。
議員として仕事をしていく上でも、または選挙で勝ち抜く上でも、そういったことが有権者からほとんど重要視されてこなかったからです。
どんな業界でも、そのサービス形態が、顧客の需要とあまりにもかけ離れた形にはならないのは当然の事だと思います。
 
以上はこれまでの話です。
これからはそれではいけない、そんな現状を変えようと、全国で多くの政治関係者が、その存在意義をかけて議会のあり方を変えようと必死の研究・模索をしています
ただ、議員の中でも、個人間でかなり温度差はありますね。
表立っては言いませんが、活発な議論をする議会なんて必要ない。議会とはそういうものではない。首長の提案を待って「助言」をすればいいんだという感覚の人の方がどちらかというと、多いのかもしれません。
そして、そんな議会では、どうせ首長の出す案に盲目的に賛成するだけ、ろくな指摘もできないだろう。歳費や政務活動費がもったいないから、ボランティアにしてしまえ!と多くの有権者に思われてしまっているわけです。
それも一つのあり方でしょう。どのような方向に行くのか、私たちは転換点にいるのだと思います。
 
 

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