ずいぶん間が空いてしまいましたが、7月19日に福島第一原子力発電所を視察致しました。
現場における自前での写真撮影が禁じられていた関係で、写真の入手に時間がかかっておりました。最近になってようやく手に入りましたので、2か月ほど前の状況になってしまいますが記します。
視察前には、完全防護をしなければ原発敷地に立ち入ることすらできない、そんなイメージも漠然とありましたが、結論としてそのような状況ではありませんでした。
今回の視察でも、全員普通の作業服を着ているだけで、特に防護服やマスク等もすることなく、バスに乗ったまま見て回る事が可能でした。
廃炉に向けて働く方々の為の設備が整ったのが、ここ1年ほどの大きな進展との事。
事務仕事なども含め、数十キロも離れた拠点でやらざる得ない時期が続いていましたが、発電所入り口に作られた新事務棟で行えるようになったそうです。
1日あたりで6000人規模の作業員の方々が使う大型休憩所も設置され、食堂やコンビニもあるようです。
また、敷地内の多くがGゾーン(緑色の所)と呼ばれる、普通の作業服と使い捨ての防塵マスクで作業が可能なエリアとの事でした。
しかし、1から4号機の原子炉建屋内部や周辺(赤や黄色の部分)で作業をする際には全面マスク等が必須です。
事故前は敷地内に芝生や緑が多くあったそうですが、アスファルトやモルタルなどで敷地内の舗装(フェーシングと呼ばれるそうです)を行った結果、線量を下げることに成功したそうで、敷地のすぐ外の方がむしろ線量は高いくらいでした。
敷地内あちこちに線量計が置いてありますが、Gゾーンはだいたい0.2~0.7μSv/hくらい。
敷地の外には田んぼの跡などがあるのですが、当然に事故以来放置されており、雑草を通り越して木などが生え始めていて、ほとんど雑木林のようになっていました。
そういった所では、比較的線量が高く出るようです(写真の線量計は2.647μSv/h)。
バスに乗ったまま1号機建屋から150メートルくらいの地点まで行きましたが、そこで線量は50μSv/hくらい。3号機間近では100μSv/hくらいの地点もあるようでした。
水素爆発を起こした建屋の外壁はまだそのままで、骨組みがむき出しに見えているのが印象的でした。
増え続けているのが汚染水を貯めておくタンク。
浄化処理をしてもトリチウムと呼ばれる成分だけは残ってしまうそうで、敷地内の空きスペースは保管用のタンクだらけという印象でした。今後も増え続ける見込みのようです。
バスで富岡町内などを走っていると、震災当日のままガラスが落ちて荒れたままの店舗などが多く見られる中、双葉警察署などの公共機関、営業を再開しているスーパーなどのお店もあり、少しずつ日常を取り戻し始めている様子が感じられました。
どうも複雑な想いも多々ありまして、うまくまとまりません。まずはここまでとさせて頂きます。
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