「氏」の変更に関しては、少し考える所がありました

個人的にも最近「氏」を変えた身ですので、気になったニュースです。
加えて現職議員という点からも「氏」の変更に関しては、少し考える所がありました。
結論から申し上げて、個人的には夫婦間で別姓でありたいと思ったことはありません。
しかし、ニュースで掲げられている提案、「選択的」夫婦別姓に関しては、うなずける点が多々あり、裁判の行方が気になるところではあります。
夫婦別姓を求める「新しい」裁判が始まった。 サイボウズ社長らが掲げる、従来とは違うアイデアとは? 2018年01月10日 11時22分 JST | 更新 2018年01月10日 12時27分 JST

近しい方はご存知のことと思いますが、昨年結婚致しまして、その際に妻の氏を名乗ることにしました。現在の私の正式な戸籍上の氏名は「稲葉英一郎」です。
上記の記事中にもありますが、結婚して氏が変わったことにより「銀行口座や免許証、パスポートなどの多くの変更手続きが待っていた。」という体験を私もしました。
(混みあっていて繋がるまで何分もかかる)電話連絡が必要だったり、出向かないと手続きができない所もあり、確かに結構な手間です。
しかし、結婚する前からその程度のことは必要なことだろうと認識していましたし、正直それほどの不満は感じませんでした。
 
もう一つ、これは現職議員としての話なのですが、選挙が結婚以前でしたので当然に「末村英一郎」の名前で選挙を行い当選させて頂いております。
これは本当に重大で、結婚うんぬんというプライベートな事で、これからは末村ではなく稲葉と呼んでくださいねと、に軽々に言うわけにはいきません。
よって、末村という「通称」を使用させて頂きたいという旨の書面を、市議会議長あてに提出し、許可を得た上で議員活動上は「末村英一郎」と名乗らせて頂くという形をとっております。
議会中も末村と呼ばれますし、市議会のホームページ上の表記、公の場で紹介を受ける場合なども末村です。
ちなみに、このような「通称使用願」を提出したのは守谷市議会史上、私が初めてのようです。
議会事務局に書式もありませんでしたので、他自治体の事例を参考に新たに書式フォームを事務局に作って頂きました。
守谷町の時代も含めて、これまで市議会選挙に当選した後に、結婚して氏を変えた人が男女問わず全くいなかったという事になりますが、なるほどそうかもしれないなあと感じます。
 
かなり悩むこともあるのが、知らない番号から電話がかかってきた時です。
「末村です」と名乗るべきか「稲葉です」と名乗るべきか。知らない番号だと判断ができません。
議員活動は「末村」ですが、社労士や会社関係の仕事、その他習い事などプライベートな部分は「稲葉」であり、名刺も3種類ほど持っている状態です。
名刺ごとに電話番号を使い分ければよいという説もありますが、電話を3台も持ち歩くのは非常に不便な感じがして、電話口での名乗りに悩む以上にストレスを感じそうです。
これが私の感じている氏が変わったことによる最大級のストレスですが、とはいえ私は氏を変えたことを全然後悔していませんし、日常の利便性を優先して妻と別の氏でありたいと思ったことはありません。
現状あり得ませんが、仮に夫婦別姓が必須となったとしたら、逆に個人的には多大なストレスを感じるでしょう。
 
しかし、記事中にある下記の指摘はするどいものがあります。
(外国人と結婚した場合、民法上の氏は「変わらない」。しかし、戸籍法上、届け出をすれば結婚相手の氏を名乗れる。)
(さらに、離婚した場合に相手の氏を名乗り続けることも、元の氏に戻すこともできる。)
(つまり民法上の氏とは別に、「戸籍上、違う氏を名乗っていい」という制度になっているわけだ。)
離婚した後でも相手の希望すれば相手の氏を選択できるというのは、何となく知っていました。加えて外国人との結婚の場合も氏の「選択」ができる。
にも関わらず、日本人同士の結婚の場合のみが選択不可能という現状は、不平等だというロジックですが、確かにその通りだと感じます。
戸籍上、夫婦間が別姓である必要を感じないのは私の感覚ですが、個人の主観に過ぎません。さまざまな感覚の違いがあるはずですし、ましてや現状において、(日本人同士でも)離婚の場合や外国人との結婚の場合など、実質的には「選択的」夫婦別姓制度が存在する以上、制度改正への検討の余地は十分にあると感じます。
 
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る