自治体財政の監視

夕張市は2006年に突然に大量の赤字が発生し、財政破綻状態となり、その自治権を失いました。

小中学校の運営や上下水道の運営など、基礎的なことやライフラインの維持などは行えますが、その他は自力では何もできません。

実質的に国の「天領」のような状態で、国から言われた「作業」だけを行う状態になります。

そのような状態では、執行部も仕事に対してまったく誇りを持てませんし、創意工夫など生まれる余地もないでしょう。

何も考えたくない、何も生み出したくないという無気力な人にはよい環境かもしれませんが、多くの人はそのような半分死んでいるような自治は望まないと思います。

赤字が発覚したのは突然でしたが、もちろんの事数年かけて積み重ねられていました。

そして、それは決算カードなどを見れば、明らかにおかしさがわかる状態でした。

例えば、平成16年度の夕張市の決算カードを見ると、


●歳入の構成において、地方税がたったの5%(金額は10億円ほど)しかありません。守谷市の場合はだいたい50%以上、他市の場合でも40%以上はあります。

●その代わり「諸収入」というのが50%以上の割合で存在します(守谷市の場合は3~5%くらいです)。金額にして何と100億円ほど。

●標準財政規模・・・通常水準の行政活動を行う上で必要と思われる財源、人口や面積などを元に計算→これは45億円くらいの規模。諸収入の100億円とはいったい。


などなど、素人目にも明らかにおかしいのです。

これに気がついて止められなかった、夕張市議会の責任は重いでしょう。

何せ決算カードを見るだけで良いのですから。


一昔は決算カードなどの行政資料は役所に請求するしかなく、また請求しても何かしら理由をつけて出し渋る姿勢も見られたようです。

今はもっと情報公開の意識が進み、ネットで簡単に入手できる資料も多くなっています。

その点に関しては、世の中良くなったと言えると思います。


と同時に「しくじった」場合に言い訳ができなくなっていると言えるのかもしれません。

市民の間でも、自治体の財政資料を読み解くサークル活動などが増えているようです。

そのような意識の高い方々からご指導なども頂きながら、責任を果たしていきたいと考えています。


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