効果的な議論

民間企業においては、効果的な会議の進め方やノウハウなどさまざまに検証されており、関連本もよく出版されています。
うまくいかない会議の1例としてさまざまな悪例が挙げられていますが、議会の一員として懸念がリアルに感じられるものもありました。
議会においては会議するのが仕事という面もありますので大いに参考になると思います。
①「意見」と「人格」が同一視されている
意見に含まれるロジックそのものと、唱える人の人格や背後の人間関係は別次元の物のはずですが、実際にはそうはなりません。人間だから仕方がないのかもしれません。
まったく同じ意見内容でも発表する人間が違うと、回りの受け止め方も全く変わってくるのは良くありますが、実にむなしい事だと感じます。
また相手との人間関係によって、主張をためらったり、逆に不必要に反発したりしてしまうと、効率的な議論となり得ません。
②「正解」が先に決まっている
皆が意見を出す→検討して集約し→結論を出すという流れがまっとうだと思います。
これに対して、例えば司会者などによって先に(唯一の)正解が内心決まっており、予定調和が行われる。会議は良い結論の探索ではなく、先に決まっている「正解」の正当性を担保する為だけに行われている例です。
つまり→が逆(←)になっており、この流れを阻害する者は攻撃対象になるわけです。
たいていの会議参加者もカカシではありませんので、この程度の司会者の悪意は簡単に見抜きます。
すると議論してもムダだという空気が広がり、会議が形骸化してしまうかもしれません。
総じて、「何の為に議論をしているか」という大前提を忘れてしまい、視点が内向きになってしまうと起こりうる事なのではないでしょうか。
役所・執行部に対して、時に「どっちを向いて仕事をしているのだ」と問わねばならないのは議会の重要な職務です。
議会として同じワナに陥らないよう気をつける必要があると思います。

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