【広州=吉田健一】17日付の香港紙「明報」などによると、世界的なパフォーマンス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が今月北京で行った公演で、中国本土では公開が禁止されている1989年の天安門事件に関する写真が巨大スクリーンに映し出された。
シルク・ドゥ・ソレイユ側は、公演内容はすべて中国当局の事前審査を経たとしている。中国政府は天安門事件に関して厳しい言論統制を敷いており、審査時に当局が見落とした可能性がある。
写真が登場したのは、9~11日に行われた公演の初演。米歌手の故マイケル・ジャクソンさんの「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」という曲に合わせ、天安門事件で戦車の前に一人の男性が立ちはだかる有名な写真が舞台上に約4秒間映し出された。その瞬間、会場内の約1万5000人の観客は驚き、ぼう然となったという。
わずか4秒間で「驚き、ぼう然」としたということは、少なくともそれがどんな映像かは判別できたということだと思われます。
インターネットも含めて検閲が有名な中国ですが、どんなに言論統制を行っても、国民に隠すことはできないということなのでしょう。
そして、当局やメディア、外国人の前ではどう振る舞うべきかも知ってるのだと思います。
シルク・ド・ソレイユというパフォーマンス集団による映像ということですが、故意に行ったことなのか。
故意だとしたら、政治信条や政治的背景があるのでしょうか。
中国に言論の自由がもたらされることを願います。
同時に人権派を自称しながらも、身近な国で言論の自由というあまりに当たり前の人権が侵害されていることに目をつぶる、国内の評論家などにも大きな疑問を抱きます。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。