「自分で経験をした人のみが、関連する発言を行う資格を有する」という考えがあります。
政治の世界では特に強いかもしれません。
しかし、これを理由にして人の発言を制限したり、中身を聞かずに切り捨てたりしてはならないと思います。
つまり、問題にすべきは「何を言ったか」であって、「誰が言ったか」ではありません。
提起された議論は、その範囲内において反論すべきで、発言者の前歴が何かなどに、問題をすりかえてはなりません。
具体的に想定してみればより明白になるようにも思います。
「日本で生活したことがない人は、日本の問題を論じてはならないか」
「戦争に行ったことがない人は、安全保障を論じてはならないか」
「出産したことがない人（人類の50％は少なくともそうです）は、出産支援策を論じてはならないか」
いずれも直感的にノーだと言えると思います。
意見の内容、合理性などがあれば、きちんと聞いて役立てるのが本筋で、的確な反論ができなくてくやしいから、話を逸らして発言者の前歴攻撃に切り替えるなど、もってのほかです。
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