人に期待しない

「人に期待しない」と一言で言ってしまうと、何か突き放したような、人の気持ちを尊重しない冷酷な態度な気もします。
ですが、実際は逆で「人に期待する」行為の方が、セルフィッシュで人の内面を大事にしない面があるのではないか。そんな疑問を抱いています。
 
「人に期待する」というのは、相手に対して何かの基準、正義に従った言動をしてほしいと願うことですが、重要なのはその基準を決めるのは、「期待する側」という点です。期待される相手ではありません。
つまり、本人の都合や内面を無視して、一方的に基準を押し付けるわけですが、「私はあなたに期待してるんだ!」とキラキラ語られると、そんなセルフィッシュな部分が覆い隠される面があり、タチが悪いとも言えます。
また、複数の人から利害が衝突する「期待」をかけられると両立できません。必然的にどちらかの期待は必ず裏切ることになります。それで責められるとしたら、理不尽なことです。
 
世の中理解できないこともありますし、人間ですから好き嫌いはたくさんあります。
仮に理解できなくても、人はそれぞれ自分が好きなように自由に生きるのが一番だと、良い意味で相手のことを突き放していくことが、本当に相手を尊重することになるのだと思いますし、どうしても好きになれない相手なら距離を置けばよいのだと思います。
また、本質的にコントロールできない他人が「何で期待に応えてくれないんだ!」とイライラせずに済みます。
 
一方的に期待をかけて、相手は当然に何でも都合よく行動してくれませんので、その後裏切られたと喚き散らし、そんな相手の悪口をSNSなどで発信することに熱心になる、そんな人が特に政治の世界にはたくさんいるように見えます。
それは不毛だと思いますし、政治の本質と何の関係もありません。
 

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