「大阪都構想」の住民投票を振り返って

5月17日に行われました「大阪都構想」の是非を問う住民投票は、1万741票、得票率にして約0.8%差で反対多数となりました。
わずかですが、賛成の運動の方に応援に入らせても頂きましたので、現地での体験や一連の報道などを見て感想を少し述べさせて頂きます。
 
①投票率が高かった点
最近の選挙関連はずっと低投票率が続いていましたので、投票率が66.83%と非常に高かったのが本当に本当に喜ばしいです。
また投票日までの過程において、市民が経験した議論や獲得した知識などは、今後においても素晴らしい財産になる思います。
街をつくる主役は市民であり、政治や行政ではありません。このような経験ができた大阪市民を、正直うらやましく感じます。
しかし、実際に目にするとさらに欲が出るもので、「史上最大の住民投票」なのだから7割いってもよいのでは、など考えてしまいます。
 
②ワイルドな選挙風景
反対派のデモ隊が大阪維新方の運動員を見ると、一斉に挑発的なしぐさ(中指を立てる、親指を下げるなど)を行うのを目撃。
また、反対派の市民の方の意思表示も時に激しく、それらはきつい言葉、怒声で詰め寄るだけでなく、しばしば身体の接触を伴うものでした。
その強い意志表明(物理)は、時に大阪維新方の女性運動員にまで存分に発揮され、唖然としました。
 
③ロジックでは賛成派有利では?
象徴的な論点の一つに二重行政の解消がありますが、「現在の体制でも二重行政の解消はできる」は、反論として実に弱く感じます。
反論するなら、(都構想よりも)現在の体制の方がより良く解消できる、とする方が適格に思いますが、当然にではなぜ今まではできなかったのかという疑問がわき、あまり心に響きません。
今後、(現在の体制のまま)二重行政の解消などができるか相当疑問に感じますが、ここに至って他に手はありませんので、是非とも大阪市議会や府議会の皆様に頑張ってほしいと願います。
 
④感情的な反対
そもそも都構想のロジックうんぬんではなく、橋下市長が嫌い、信用できないといった感情的な反対論が一定数、特に女性に多くあるように感じました。
妥協しない正義感、敵をつくることをためらわないスタンスが反感を生んでいるのかもしれません。
同時にそのスタンスこそが改革の原動力になっているとも思われますので、コインの裏表というか、仕方のないというしかないのでしょうか。
 
⑤説明が足りない?
ここに至ってまでも、争点がよく分からないとか、説明が不足しているなどを投票棄権の理由に挙げた人は、いくらなんでも非難されてしかるべきだと思います。
賛成派、反対派ともにものすごく熱心に説明会やタウンミーティング、街頭活動などを幾度となく行っておりました。
また、テレビ、インターネット等を含めれば、情報を得ようとする手段はいくらでもあるはずです。
知る権利とはよく言われますが、知ろうとする義務も時にはあるのではと思いました。

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