http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120810-00000039-mai-bus_all
<食料自給率>横ばいの39% 2年連続40%割れ
毎日新聞 8月10日(金)11時1分配信
農林水産省は10日、11年度の食料自給率(カロリーベース)が前年度と同率の39%になったと発表した。自給率が40%を切るのは2年連続で、冷夏によるコメの大凶作で過去最低となった93年度の37%に次ぐ低い水準が続いている。
11年度は、東日本大震災の影響などでコメの消費量や魚介類の生産が減少したが、小麦の生産が10年度より増加したことで一層の悪化に歯止めがかかった。
日本の食料自給率は、コメの消費が減るなど日本人の食生活の変化を背景に、60年の79%をピークに長期的な低下傾向が続いている。11年度は震災直後にコメの買い占めなどが起きたが、その後は需要が減少。三陸沖のホタテ貝、カタクチイワシなどの漁獲量が減ったことも自給率の低下要因となった。
政府は20年度までに食料自給率を50%に引き上げる目標を掲げているが、有効な手立てはない状況だ。39%の自給率は、主要先進国の中で最も低く、食料の多くを輸入に頼っていることを意味する。
同時に発表された生産額ベースの自給率も前年度比4ポイント低下の66%で、08年度の65%に次ぐ過去最低の水準。震災や原発事故の影響で国産牛や野菜の単価が下がったことなどが響いた。【川口雅浩】
この話題に関してですが、
毎日新聞 「横ばいの39% 2年連続40%割れ」
読売新聞 「11年度の食料自給率 前年度と同じ39%」
と微妙な表現の違いがあり、おもしろいですね。
読売は比較的冷静ですが、毎日の方はセンセーショナルな感じをうけます。
10年連続ならともかく「2年連続」とはわざわざ特筆すべきことでしょうか。
無意味に危機感を煽り立てる、ちょっと下品な手法だと思います。
ですが新聞の販売戦略としては有効なのかもしれません。
毎日新聞の意向通りに、内閣府の世論調査によりますと、
①高くても国内で作るほうがよい
VS
②外国産の方が安いものは輸入すればよい
の戦いに関しては、長期的に①のように考える人が増えているそうです。
シーレーン途絶などによる、食料安全保障の点を気にかけての事だと思います。
国民一般が将来的に安全保障上の危機が訪れるとリアルに考えているのかもしれません。
極端なことを仮定すれば、シーレーン等が絶対安全ならば、円の価値が維持できる限り、自給率0%でもかまわない訳です。
現実問題として絶対安全などありえませんので、万一に備えないわけにはいきません。
これはあくまでも安全保障の話ですので、単純な自給率向上以外にも手段はあるように思います。
当然に外交の安定が第一です。世界中を見方につければシーレーンは安泰です。
また、しこたま備蓄を行うとか、飼料作物で、生産性の高いものを作るなども考えられると思います。
1つのやり方でなく、背負うリスクとコストをバランスよく考えて、複合的で現実的な対応をすることが重要だと思います。「カロリーベース」の怪しさも含めて、単純な「自給率」という数字だけがクローズアップされすぎているように思います。
守るべきは食卓であって、自給率ではありません。
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