自己満足の正義

ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?/集英社
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殺処分ゼロを目指して奮闘する、熊本市の職員の奮闘を描いた記録です。

殺処分数を減らすには、「安易に飼わない」「不妊手術をする」「鑑札をつける」など当たり前の事が基本であり、これをやればうまくいくという裏技のようなものはないようです。

かわいい動物を、自らの手で殺したくないという純粋な善意が動機であり、現実の困難を乗り越えて動機を貫き通した善意には頭が下がります。

気になったのは、殺処分をやめろなどのクレームの電話があり、そのような電話は決まった人物からかかってくる事が多いようです。

そして、非常に攻撃的で一方的で、まったく論理的な話ができない場合があるようです。

一方的に怒鳴り散らして、役所に人間を攻めても現実は何も変わりません。

安易に動物を捨てる市民を無くすか減らすかしなければ、問題の根本が変わらないことは誰にでもわかることだと思います。

動物を助けることが目的ではなく、「かわいそうな動物を殺すな」という誰も反論できない事で人を攻め、相対的に自分の正義を錯覚したいというのが真の目的かもしれないと邪推もしてしまいます。

一般的に役所に人間は市民に対して反論等しません。

しかしそれは善意によるものであり、民間人の方がエライからではありません。

もちろんの事、公務員の方が民間よりもエライわけでもありません。

職業に貴賎はなく、民間だろうが役所だろうが、無意味に敵対することなく、一丸となって問題解決に取り組む姿勢が重要なのだと思います。

地方自治とは公務員だけでなく、そこに住まうすべての住民の手によるべきだと信じます。

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