「相乗り」の副作用

先日の福島県知事選挙は、自民、民主、公明、社民の与野党4党がいわゆる「相乗り」した前副知事の内堀雅雄氏が初当選しました。
他自治体の選挙によっては、自民・民主・公明に加えて社民、共産までも同一候補者に推薦や支持を行った例もあるようです。
自治体によって事情はさまざまですし、いわゆる「相乗り」が必ずしもその地域の市民にとって悪いことになるかと言えば、そうでは無いかもしれません。本当にすべての政党が応援したいと思う素晴らしい候補者なのかもしれない。
しかし、特にしがらみの無い有権者から見ると、選挙や政治の世界に失望感を与え、投票を棄権したくなるイメージを与えかねないように感じます。
大規模な相乗りが発生する動機として、「(勝てそうもないので)対立候補を立てて、選挙戦敗北の責任をとりたくない」や「勝ちそうな候補に当選後の発言力を高めるために恩を売っておきたい」などあるのかもしれません。
しかし、これは政党人など業界の内向きの理論であって、多くの有権者から見るとどうでもよいことのように感じるのではないでしょうか。
論戦を行うテーマや課題が全くない地域などあるはずがありません。
前述のような内向きの理屈で、選挙という貴重な地域課題を論ずる機会を埋没させられたと有権者が感じたとしたら、「ではもう選挙に行かない」となるような気がします。
繰り返しますが、地域によって事情はさまざまですので、相乗りの決断も地域の市民のためを思ってもしれません。
しかし、市民の政治不信や無関心を招きかねないという副作用を無視しては、将来的に我々政治の世界の人間全体の首を締める結果になるように思います。
公認や推薦は合計2政党まで、などの制度化はできないものでしょうか。思いつきですが。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る