慰安婦問題の「日韓合意」について

日韓両外相共同記者発表(外務省ホームページ)

基本的に、外交の問題に関しては、事前に政府が収集した情報、次に考えている戦略、同盟国との事前協議内容等、国民に対してすべてをオープンに説明責任を果たして進めるわけにはいきません。なぜならそれをやったら、敵にこちらの手の内が筒抜けになります。

間接民主主義のコストといいますか、総選挙を通じて選んだ以上、後は信頼して任せる以外にない面が多々あるように思われ、また、合意形成直後の時期に外野からどうのこうの言っても仕方がない気もしますが、感想くらいはいくつか述べても良い気もしました。

 

①官憲による「人さらい」があったかどうか

この問題に関して最もポイントとなる論点は、当時の朝鮮半島内において、日本国官憲が慰安婦獲得目的で、婦女子誘拐、人さらい事件を引き起こしたかどうかであると考えます。

あったとしたら、当時の法環境を前提にしても違法でしょうし、また割と容易に証明できるような気がします。なぜなら官憲は予算措置なくして動けません。全関係省庁の書類と関係者の証言を残らず闇に葬るのは非常に難しいでしょう。

また、そのような証拠があるのなら、朝日新聞あたりが喜んで出してくれると思いますので、恐らくなかったのだろうなと、私は考えております。

ここまでくると歴史学の世界になりますので、私が深く立ち入れる問題ではありませんが、事実としてあったかどうかを私は問題にしておりまして、「あるとするべきか(都合がよいか)、ないとするべきか(都合が悪いか)」ではありませんので、あったとしたら認めて、謝罪と反省が必要と主張することにためらいはありません。

 

②現在の生活環境や法環境と同じ目線で過去を処断すべきではない

もしかすると、将来的には「タバコ」が違法化し、持っているだけでも逮捕される世の中が来るかもしれません。そのような未来の人間から現在の我々を見ると、麻薬中毒者集団、人格崩壊者集団のように見えるかもしれませんが、そのような歴史の見方に何の建設性もありません。

戦時徴用などと混同して批判する見方などもあるようですが、当時の法環境や世界恐慌、戦時下などの厳しい情勢を前提にして見るべきであり、無意識の内に現在の我々と同じ環境を前提にして、過去を処断しても何の意味も持ちません。

 

③外交はすべて多国間

日韓関係だけを考えるのなら、こちらから全く手を差し伸べず、放置していても困ることはなさそうですが、外交は常に多国間のものとなるのではないかと考えます。

韓国に対してどのような態度をとるか、多くの国が常に見ており、今後のわが国の外交に影響を及ぼすのだと思います。

韓国に対して、こちらから手を差し伸べて関係修復に動いたという外観を作れたのは、日本は自ら地域の安定を作ろうと努力しているというアピールになり、諸外国からの信頼獲得にとって有益に思えます。

また、当初から米国など複数の国へ注目を促し、巻き込もうとした形跡もありますので、「最終的かつ不可逆的に解決」という文言を担保する上でも有効でしょう。

 

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この記事の著者

守谷市議会議員 すえむら 英一郎

守谷市議会議員 すえむら 英一郎

誕生日:1977年9月20日
居住地:茨城県守谷市
学歴:つくば市立 茎崎第3小学校→守谷市立けやき台中学校→江戸川学園取手高等学校→立教大学文学部
趣味:読書、洋画鑑賞、犬の散歩、美味しいラーメン店の探索

2012年3月より、守谷市議会議員として市政に携わる

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