思想がないから強い

悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東 (幻冬舎新書)/幻冬舎
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「権力を維持するには、思想がないのがいちばんいい」
「(共産党内で)スターリンは性格も人格も嫌われていたが、彼は確固たる思想信条がなかったので、誰の意見でも採用できた。多数派がどっちか、場の空気を読む力はあった」
「スターリンはいつも多数派に属した。考えを持たないことで、スターリンは党内抗争で常に勝利できたのだ」
反スターリン派が結束できなかったのは、その多くがインテリだったから。
彼らは、共産主義者として非常に真面目で、どういう社会にすべきかという確固たる思想があった。
そのような思想的な意見の相違による対立があり、彼らにとっては一番重要なことだったので、反スターリンというだけでは、結束できなかった。
同様に本内に記載がありますが、いまの日本の政界にもこのような状況があるともあります。
非自民勢力がひとつになれないのは、政権を取りたい以前に、こうあるべきだという思想的な意見の相違で対立してしまうからというわけです。
確かに政権与党でありたい以外の思想がなければ、対立する要素がありません。
考えがないのが、結束面で強みになるという、逆説的な発想は興味深く感じました。
とはいえ、政治の世界ですので、思想を否定しては成り立ちません。
一緒に仕事をしていれば、自分のものさしがない人は見抜かれるもので、根本のところでは信頼もされません。
スターリンの例ほどうまくいったのは、特殊事例のようにも感じます。

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