生情報にアクセスすることの重要さ

見抜く経済学 [Kindle版] 渡邉哲也

minuku
読書録はひさびさな気がします。優しい口調で経済予測や情報分析等に関して書かれた本ですが、特に「生情報」にアクセスすることの重要性が説かれており、興味深く感じました。
著者によると、マスコミ向けに関係省庁が発表をする際、「レクチャーペーパー」が配布されるそうで、日本の新聞記者は基本的にそれを「コピペ」しているとの事。
国際会議の模様にせよ、会議終了後すぐにホームページに原文が掲載され、誰でも見れるようになっていることが多いようですが、新聞記者の多くはそれら原文を読むことなく記事にすることが多いそうです。結果的に新聞ごとの内容や文体が同じようになると。
従って、故意にせよミスにせよ、関係省庁による「レクチャーペーパー」の内容と原文が異なる場合、新聞各社は原文をチェックしないので誰も気が付かない、読者も誰も気が付かないとなってしまい、下手したら全国的に大きなミスリードが可能になってしまうでしょう。
個人的にも、報道を見て興味を持ち、それに関する生情報といいますか、関連する会議の議事録を読んでみた所、報道の論調や雰囲気と大きく異なる印象を受け驚いたことがありました。
また、国内のメディアは、「日本は遅れている」「日本は孤立している」「日本経済は破綻する」といった類の悲観的な論調を好むのは、不安をあおった方が新聞が売れ、テレビの視聴率が上がるだろうという思惑からの、「ポジショントーク」ではないかとのこと。
本当にその通りだと感じます。
 
とはいえ、各種メディアは単なる民間企業ですから、別にそれはそれで構いません。どのような報道姿勢を取るか、営業戦略を取るかは各社の自由です。
要するに情報の受け手側が「そういうものだ」と意識しながら、情報に接することが大事なのだと思います。また、情報へのアクセスが容易になり、自分で見て自分で考えることがやりやすい時代にもなっているとも感じます。
 

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