「事実」に基づいて語られるべき

これはいくら何でも一線を越えてしまったなと感じましたので、シェアします。
7月3日放送のTBS番組「ひるおび」にて、昨年8月の小池東京都知事就任あいさつの際、自民党の川井重勇都議会議長(当時)が握手を拒否したと伝えたが、実際には握手していたという問題です。

「小池知事との握手拒否」→実は握手してました! TBS「ひるおび!」が訂正 J-CASTニュース7月7日(金)12時30分
「小池知事への握手拒否」訂正 毎日新聞2017年7月6日 19時19分(最終更新 7月6日 23時27分)
 
結論から言うと「ひるおび」は、小池氏と川井氏が握手をしている場面を編集してカットの上放送していたとの事。
「ひるおび」にて流された映像では、小池氏と川井氏が握手をする直前に不意に場面が切り変わって、その後小池氏が笑いながら差し出した手を戻す場面が映っています。
比較対象として時事通信社によるノーカット版の映像を見ると、しっかりと握手をしている場面が確かに確認でき、意図的に握手拒否をしたように見せかける編集した様が感じ取れます。
 
7月3日の放送中には、映像を流す前にアナウンサーによって
「中心人物となるべき人が落選しているんですね。それがこちら中野区の川井都議会議長。まぁ、この川井議長なんですけれども、去年8月小池知事就任あいさつで握手拒否もあったということなんですけれども、それをごらんいただきましょうか。」
といった紹介があり、その後コメンテーターにより
「ね~、握手くらいすればいいじゃないね~。ご挨拶なんだからね。しっぺ返しですね。」
といった感想が示されたりもしています。
 
これに対して、TBSは番組内で「訂正」をしただけで終わりのようです。
言葉が足りないのはウソとは言わないという理屈がありますが、これと同様に、一部の映像を見せないのはねつ造とは言わないという理屈なのかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、映像の意図的な編集は明らかであり、間違った情報へと視聴者を誘導する悪意が感じられます。事実ではなく虚偽に基づいたフェイクニュースと言えるものでしょう。
 
政治報道は、「事実」に基づいた政策の論理性が第1に語られるべきであり、「フェイクニュース」に基づいた誰が善玉で悪玉かといったイメージ操作で語られるべきではありません。
仮にこのような傾向がエスカレートすると、明治の時代から積み重ねてきた、わが国の民主主義の歩みに重大なダメージを与えかねないと危惧します。
 
 
 

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