今朝の茨城新聞に、国会の法案採決において「付帯決議」が付されることが多くなっているという記事がありました。
最近は半分強の法案に「付帯決議」が付されているとの事で、その中身についても、もっと注目されるべきではと感じます。
特にマスコミ報道においては、法案の内容よりも、基本的には政局の話が中心、ましてや付帯決議なんて細かい話は基本的にスルー、という傾向が個人的には感じられます。
ちなみに、半分強とはいきませんが、守谷市議会でも「付帯決議」は良く使われます。が、あまり市民の方から注目されることは少ないのかなとも感じています。
最近では、中央公民館の改修工事関連、図書館の指定管理者などの案件において付されることがありました。
行政側が出してくる提案に関して、丸ごと賛成、あるいは丸ごと反対という場面ばかりではありません。
中には、「基本的には進めてほしい案件だけど、この部分だけはどうしても気になるな」などと感じることはよくあります。
あるいは、「反対したいけど、おそらく数で勝てない。ならばただ反対して原案そのまま可決となるよりも、条件闘争をする方がベターだろう」といった厳しい場面もあります。
そのような場合、議員提出議案として付帯決議案を提出し、賛成はするが別に行政側にやってほしい事、留意してほしい点などを具体的に箇条書きにした内容で議決が行われます。
付帯決議という手法に対して、法的拘束力もなく無意味だという考えをお持ちの方もいますが、私はその内容次第では十分意義があると考えています。
確かに付帯決議の中身を例えば「市民の声をもっとよく聞け」などと具体性に欠ける、毒にも薬にもならないような中身にしてしまっては、付帯決議を通しただけで終わってしまうでしょう。
しかし、その中身において、行政側にやるべきアクションをきちんと求めていたり、期限を区切っていたり、内容が具体的になっていれば、それは行政に対する拘束力として機能します。
1つの案件に対して1つの議案だけで完結することは多くありません。継続事業であれば少なくとも3月の予算案では必ず再登場します。
仮に再登場の場面で、議会が議決した付帯決議の内容を無視するような内容になっていたとしたら、議会サイドとしては、黙って通すわけにはいきません。それは自らの過去の判断を否定することになるからです。
そして、そんなことは行政サイドも簡単に予測ができますので、結果的に付帯決議の内容をもって行政サイドを拘束することができます。
守谷市議会では、平成30年度の一般会計予算案が「全会一致」で修正されたことがありました。
地方議会的にはとてもめずらしい現象と思いますが、すんなりと「全会一致」になったのも、予算案の内容がそれ以前に議決された付帯決議の内容に反している部分があるとみなされたからなのです。
国会関連の付帯決議案件で個人的に印象に残っているのが、日本を元気にする会・新党改革・次世代の党、当時の3野党の協議から行われた、平成27年のいわゆる「安保法案」に対する付帯決議です。
集団的自衛権の行使について、 「附帯決議」により例外なき国会の事前承認が必要となるなど、きわめて意義の大きい付帯決議だったと個人的に感じました。
その時驚いたのは、私として極めて重要に思えた付帯決議の内容について、多くの既存メディアが、あまり注目しなかったことです。
法案がどのように執行されるかなど、政策的な中身よりも、マスコミとしては「政局的」な面白さを重要視しているのだろうと感じました。
これをマスコミの劣化と批判することは簡単ですが、政局報道に注力した方が視聴率がとれる、売れるという経験から来る冷静な判断だったとしたら、批判の中身は私たち有権者に跳ね返ってくるのではとも思えます。
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